2.今後のITエンジニアリングの方向性と言語別の展望

ITぶつぶつ

IT業界に約35年携わり、現在もなお現場での経験を重ねながら、今後のプログラミング言語やシステムの動向を個人的な見解から考察してみました。変わり続ける業界の中で、どの言語が生き残り、どの技術が新たなニーズを支えるのかをまとめてみます。

エンジニアやIT業界を目指す方に少しでも参考になればと思います。

C, C++

この言語は根本的なプログラミングの基礎として必ず必要な言語で、絶対に消えることはない言語と思っています。根本的なプログラミング言語なので、どなたにも必ずマスターをしておいてほしい、マスターしても損がない言語です。

2024年現在においても、未だに多くの需要があります。どちらかというと、システムの見えないところ、たとえば通信部分の制御であったり、アプリケーションのデータ処理であったり、どちらかと言うと下回りの開発物件が多いようです。また、当然組込みにも需要はあります。
例えば装置の通信制御であったり…

どちらかというと派手な部分ではなく、計算・アルゴリズム・データなど見えないところによく使われています。

今後も、CやC++は、特に組込みシステムやデバイス制御の分野で根強く必要とされ、IoT、ドローン、自動運転、航空機など、組込み技術を活用した分野で重要な役割を果たしています。

  • 将来性
    消えることはないが、より特殊な分野に特化していく。
  • 必要な知識
    電子回路の基礎や入出力のイメージ。Arduinoなどで基礎を学ぶのも良い。
  • 対象業界
    IoT、自動車、航空機、ロボティクスなど。

C#

C#は、現時点では便利な言語として使われています。

2024年現在、どちらかというと画面・ユーザーインターフェイス周りが多いようです。アプリケーションの開発も未だこの言語を使っています。最近では、WPFを使った開発に移行してきているようです。下回りをCやC++に任せて上っ面をこの言語で作るといった感じです。

将来的にはニッチな領域に特化していくのではないかと感じています。スタンドアローン型アプリケーションの開発には向いていますが、ほとんどのアプリケーションがWEBシステムやクラウド化される方向にあるため、特殊な用途に限定されるかもしれません。

  • 将来性
    WEBやクラウドの普及で役割が限定的に。ただし、ゲーム開発やスタンドアローンアプリには需要が続く。
  • 対象分野
    業務用アプリケーション、ゲーム、スタンドアローンソフトウェア。

VB (Visual Basic)

2024年現在、どちらかというと事務系のシステム開発に多く使われています。マイクロソフトも今後この言語は仕様を変えない現状維持を続けると発表していることから、VBは、どんどんその需要が縮小してきそうです。既存のVBアプリケーションの保守などに役立つかもしれませんが、C#に置き換わることが多く、将来的な成長性は低いと考えています。

  • 将来性
    縮小。保守や改修の場面で残る程度。
  • 対象分野
    既存のレガシーシステムのメンテナンス。

Python

Pythonは現在、データサイエンス、AI、ロボティクスなどの分野で活用され、ますます進化が期待される言語です。

2024年現在、日本ではこの言語を使った開発案件はなかなか目にしません。大手や大学、研究機関のデータ分析やAI開発には使われているようですが、民間の中小企業まではまだまだ落ちてきていないようです。

一部、エンベデイッドパイソンで装置を作っている会社もあるようですが、なかなかお目にかかれていません。

  • 将来性
    非常に高い。AI、データサイエンス、ロボット技術の成長とともに需要が拡大。
  • 用途
    データサイエンス、AI開発、ロボティクス、Web開発(DjangoやFlask)など。

Java

Javaはかつては多くのアプリケーションで使われていましたが、現在では特定の業界、特に金融や大規模システムに使用されることが多いようです。新しい開発よりも既存システムの保守や改修での需要が目立ちます。

2024年現在、中小企業にはあまり小さな案件落ちてきていません。どちらかというと、大規模なシステムに使われているようで、ほとんどが大手の会社の中での現場仕事が多いいようです。
私たちのような小さな会社ではあまり使うことがないため、Javaエンジニアの需要は少ない状態です。

結構Java人材の需要には波があるようです。

  • 将来性
    一定の需要はあるが、新規開発よりも保守や改修がメイン。
  • 対象分野
    金融システム、企業向け大規模システム。

PHP、ノーコード・ローコードツール

PHPはWeb開発で根強い人気があるものの、今後はノーコード・ローコードツールが注目を集めると考えています。

2024年現在、PHPでの開発案件はそこそこありますが、開発単価がそこそこ安く、短期間のものが目立っています。画面周りをデザインとマッチさせていかなければならないため、フレームワークと合わせて使う事が多くあります。また、JavaScriptとの乗り合いも必要であったり、データベースと絡むことがメインなので、データベース知識は必須です。

ノーコード・ローコードは、Webアプリケーションの開発をよりシンプルにする一方で、サービスに依存するリスクもあるため、選択には注意が必要です。

  • 将来性
    一定の需要が続くが、ノーコード・ローコードが主流になりつつある。
  • リスク
    外部サービスに依存し、サービスが停止するとプロジェクトも停止する可能性がある。
  • 対象分野
    WebサイトやWebアプリケーションの開発、クラウド基盤のサービス。

今後のITエンジニアに必要なスキルセット

今後のIT業界で活躍するために、次の3つのスキルセットが重要だと考えています。(私見)

  1. 組込み系C/C++でのデバイス制御スキル
    IoTや自動運転、ロボットなどのデバイス開発に役立つ。
  2. Pythonによるデータ分析、AI、ロボティクスのスキル
    データ収集と分析、AI開発の分野で幅広く活用可能。
  3. WEBシステム開発のためのノーコード・ローコードツールとDB知識
    特にSQLやDBの基礎があれば、ノーコード・ローコードの効率的な活用が可能。

今すぐ就職・転職を目指すなら

PythonやPHP、Javaは過剰な人材供給の状況も見られるため、C#でのスキル習得が有効かもしれません。また、すぐに転職・就職を目指すなら、C#やSQL、DB操作の基礎を押さえておくと、WEBシステム関連やスタンドアローン型の業務アプリケーションのニーズに応えやすいです。

結論:自分の強みを活かしつつ、今後の需要を見据えた学習を

今回の内容はあくまで個人的な見解ですが、IT業界で長期的に稼げるエンジニアとなるためには、技術のトレンドを見極めつつ自分の強みを活かした分野に進むことが重要です。特に、Pythonやノーコードツールは今後も拡大が予想される分野であり、CやC++のようなベース技術も価値が高いです。技術の発展に合わせて柔軟に対応しながら、目指す分野のスキルを積み重ねていきましょう。

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