要約まとめ
- 10G光回線でも設定が甘いと 1~2Gbps 程度しか出ない。
- 測定サイトはfast.com だけでは不正確。v6プラス対応の「みんそく」を併用すると実力が見えやすい。
- NICのドライバ設定(オフロード系・MTU)と、Cat6a 以上の配線がパフォーマンスのカギ。
- 筆者環境では最適化後、下り9Gbps 超えを確認〔要実測〕。
- 10Gは“ロマン”ではなく、動画編集/NAS同期/リモート開発で体感差がハッキリする投資価値あり。
近年、動画配信やリモートワーク、クラウド作業が当たり前となり、高速インターネットの重要性はますます高まっています。
そんな中、私が手を出したのが「10G光回線」。
1Gbpsじゃ物足りない!そう思ったあなた、ようこそこちら側へ。
どうしても許せない“10Gなのに遅い”現実
速度測定ツールで出る数字が「1.7Gbps」?おいおい、これって10G回線じゃなかったのか!?
もはや怒りを通り越して、笑えてきます。
LANカードも交換してるし、ルーターも10G対応、なのに!なぜだ!
私はこの謎に立ち向かうべく、あらゆる手段を講じることにしました。
それがこの「10G検証プロジェクト」の始まりです。
使用環境と構成(まずは条件を揃えろ)
実験は公平に!
以下が今回使用した構成です。
- PC:ドスパラ ガレリア(Windows 11 Pro)
- CPU:Intel Core i7-12700K
- メモリ:32GB DDR4
- ストレージ:NVMe SSD 1TB(Gen4)
- マザーボード:ASUS Z690-P
- LANカード:TP-Link TX401(10GBASE-T対応)
- ルーター:NTT PR-600KI(10G光対応)
- 測定サイト:fast.com / みんそく(回線速度測定)
プロバイダはフレッツ光クロス(10Gbps)+ v6プラス構成。配線はCat6aで統一し、15m以下で配線済み。
オンボードと10G LANカードの戦い
まずはマザボに内蔵されている1GbpsのオンボードLANと、10Gbpsの拡張LANカードを比べてみることに。
それがこの画像です。
期待を込めて測定……結果は「1.7Gbps」!?
10G LANカードを使ってもオンボードと変わらない数値とは、いったい何が悪さしているのか。
fast.comは信用できるのか?
ちょっとまって。もしかして、測定サイトがアカンのでは?ということで「みんそく」に切り替えて再挑戦!
勝利の兆し…10G LANカードの真価現る
おおおっ!出ました!この違い、見てください!
●1G LAN 測定結果(みんそく)
●10G LAN 測定結果(みんそく)
fast.comが正確な数値を出せていなかっただけで、LANカードの威力は本物だったというわけです。
ボトルネックをつぶす!さらなる工夫
10G回線の本領を発揮するためには、NICやルーターだけでは不十分。
以下のような工夫が必要だと感じました。
- LANケーブルはCat6a以上(Cat7/8推奨)
- ルーターが10Gポート搭載か確認(意外と5G止まりが多い)
- スイッチングハブが10G対応か?
- MTU(最大転送単位)設定を最適化
- NICのオフロード設定やフロー制御の見直し
トラブルは友達:NICが動かない!?
TP-Link TX401を刺したはずなのに…認識されない?
原因は「Windowsの省電力設定」でした。
デバイスマネージャーから「電源の管理」→「電力の節約のために~」のチェックを外すだけでOK!
BIOS設定でPCIeスロットのリンク速度をGen3固定にしたら安定性もアップ。
体感速度と実測速度は別物
10Gbpsの理論値にこだわりすぎてはいけない。
本当に重要なのは「安定して高速」であること。
ブラウザの表示、YouTubeの4K動画、オンラインゲーム、すべてがスムーズに動く感覚は数値以上の満足感を与えてくれます。
まとめ:10Gは趣味でもあり、未来の標準でもある
「そこまで速くても使い道ないでしょ?」なんて言われることもあります。
でも私は言いたい。今だからこそ、備えておくべきだと。
そして何より、10Gという未知の速度に挑むその過程こそが、楽しいのです。
今後は10G対応NAS、クラウド同期の最適化、宅内ネットワーク全体の10G化に挑んでいきたいと思っています。
同じ壁にぶつかった同志へ
この記事が、10G回線に夢を見たあなたのヒントになれば嬉しいです。
「自宅でも10Gは意味がある!」と胸を張って言える日を目指して、私の戦いは続きます。
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