ITエンジニアは技術力が重視されがちですが、クライアントやチームに成果をわかりやすく伝える「見せる力」と「伝える力」も必要不可欠です。実際、書類や報告書が雑だと、仕事の評価が下がり、プロジェクトがスムーズに進まない原因になります。
多くのエンジニアは、「ドキュメント能力がない」と言って自分で自覚していますが、解決策として何も手を打たない人がほとんどです。しかし、ITエンジニアがデザイン力とマーケティング力を身に着ければ、相手に効果的に訴求する力がつき、結果としてコミュニケーション力も向上します。この記事では、具体的にどのようにして「見せる力」と「伝える力」を高めていくか、その方法をお伝えします。
デザイン力・見た目で相手の関心を引くスキル
ITエンジニアの多くは、ExcelやWordなどで仕様書や報告書を作成しますが、そのレイアウトや配色、フォントの選び方に無頓着なケースが多いです。見た目に配慮されていない資料は、内容が素晴らしくても相手に伝わりにくくなります。
デザイン力は、相手に見てもらいたくなる資料を作成するために必要です。内容が正確であるのは当然として、以下の点に気を配るだけで、資料の印象は格段に変わります。
また人間の目線は、左上から右下に流れることも意識をしておくといいでしょう。
- 色使い
メインの色とアクセントカラーを決めて、見やすく整える。 - フォントの大きさや種類
読みやすさを重視し、見出しと本文でフォントサイズに変化をつける。 - 図形や罫線
重要な箇所を区別するために、適切に線や枠を用いる。
こうした基本的なデザインに気を配るだけで、資料の品質は大きく改善します。目に留まる資料ができれば、クライアントからの評価も高まり、プロジェクトの進行にもプラスの効果が期待できます。
デザイン力を高めるため、日常の大切に
デザイン力は、すぐに身につくものではありませんが、普段から意識することで少しずつ高まっていきます。以下の方法を試してみてください。
- 気に入ったチラシや広告を集める
居酒屋のメニュー、商品カタログ、ネット広告などを見て、「かっこいい」と感じるデザインを保存し、参考にします。目を引くデザインにはどんな要素があるかを観察しましょう。 - テンプレートを活用する
デザインのサンプルやテンプレートはインターネットで多く入手できます。自分でゼロから作成するのではなく、優れたテンプレートを使ってみることで、デザインの基本が身につきます。
デザインに慣れてくると、「どうすれば見やすくなるか」という視点で資料を作成できるようになります。この視点を持つことで、報告書や仕様書が自然と見た目が良く、わかりやすいものに変わります。
マーケティング力を養う(効果的に伝えるスキル)
ITエンジニアには、マーケティング力も非常に重要です。「マーケティングなんて関係ない」と思うかもしれませんが、エンジニアが伝える技術情報や仕様が「どう伝わるか」「どう伝えるべきか」を意識することで、仕事の成果は大きく変わります。
特に役立つのが「訴求力」。訴求力とは、相手に伝えたいことを魅力的に表現する力です。報告書や日報で使うなら、以下の要素を意識して、簡潔でわかりやすい資料作りを心がけましょう。
- 見出しとサブタイトル
まず目に入る部分に、興味を引く言葉を配置します。 - リード(導入部分)
本文を読むきっかけとなる短い説明を入れます。 - 箇条書き
長い説明を箇条書きでわかりやすくまとめ、重要なポイントを視覚的に強調します。
たとえば、製品のメリットや新システムの優れた点を伝えるとき、「見出しで目を引き、簡潔なリードで興味を持たせ、箇条書きで内容をわかりやすく整理する」など、訴求力を活かした構成にするだけで相手に伝わる印象は大きく変わります。
マーケティング力を養う(広告やカタログから学ぶ)
マーケティング力を磨くには、日常的に広告やカタログを見ることが効果的です。広告やカタログは短い言葉と少ないスペースで相手に訴求することを目指して作られており、その技術は大いに参考になります。
- ターゲットを意識して見る
「この広告は誰向けに作られているか?」を考えながら見ることで、訴求力のポイントがつかめます。 - 見出しやリードの使い方
どのような言葉が人を惹きつけるかを観察し、自分の資料作りにも応用してみましょう。
広告やカタログから学んだ構成や表現方法を日報や報告書に取り入れることで、相手にわかりやすく伝わる資料が作れるようになります。
コミュニケーション力は自然に育まれる
多くのITエンジニアが悩む「コミュニケーション力」ですが、デザイン力とマーケティング力を養うことで自然と向上します。なぜなら、ドキュメントを「見やすく」「わかりやすく」する意識が身につくことで、相手の立場を考えた表現ができるようになるからです。
- 相手の視点を考える癖がつく
デザインとマーケティングを意識することで、相手が何を求めているか、どう見せればいいかを考える癖がつきます。これにより、クライアントやチームメンバーとの会話でも自然に相手のニーズを意識した対応ができるようになります。 - 話す内容が明確になる
伝えたいポイントを的確に絞れるようになるので、会話や報告の場面でも話がスムーズに進み、相手にわかりやすく伝えられるようになります。
自分と対話しながらまとめる癖をつける
「コミュニケーション力を上げたい」と思うのであれば、まずは自分と対話しながら資料をまとめる癖をつけましょう。具体的には、自分に質問を投げかけながら、段階的にまとめていく方法です。
- 質問を投げかける
「ここで何を伝えたいのか?」「この部分は何のために必要なのか?」といった質問を投げかけながら内容を整理します。 - 段階的に情報をまとめる
いきなり完璧な資料を目指すのではなく、ステップごとに要点を絞り、わかりやすく伝えられるようにします。
見せる力と伝える力
ITエンジニアが稼ぎ続け、信頼されるためには、デザイン力とマーケティング力を養い、「見せる力」と「伝える力」を高めることが不可欠です。これらのスキルがあれば、ただの技術者にとどまらず、クライアントやチームから信頼される「頼れるエンジニア」として一歩リードできます。まとめとして、稼げるエンジニアになるためのポイントを整理します。
デザイン力で見た目の印象を改善しよう
デザイン力を身につければ、相手に「見てもらいたい」「読みたい」と思わせる資料が作れるようになります。これにより、相手の関心を引き、仕事の内容を的確に伝える力が身につきます。視覚的なクオリティを高めることで、資料の価値が飛躍的に上がるのです。
実践ポイント
- 資料作成の際、色使いやフォント、レイアウトに気を配る。
- 良いデザインを日常的に観察し、参考にする。
マーケティング力で訴求力を高めよう
マーケティング力を鍛えることで、自分が伝えたい内容を、相手の関心やニーズに合わせて効果的に伝えられるようになります。ITエンジニアにとっても、伝え方を工夫することでクライアントやチームからの理解が深まり、仕事が円滑に進みます。「訴求力」を身につけると、ただの資料が、相手の心をつかむツールに変わります。
実践ポイント
- 訴求の要素(見出し、副タイトル、リード、箇条書き)を意識して文章を構成する。
- 広告やカタログからターゲットへの訴求ポイントを学ぶ。
コミュニケーション力を自然に身につける
デザイン力とマーケティング力を意識して資料を作成することで、相手の視点を考える力が自然と養われます。これが、結果的にコミュニケーション力の向上につながります。表現力を磨くことで、クライアントやチームとの意思疎通がスムーズになり、仕事に対する信頼も深まるでしょう。
実践ポイント
- 自分に問いかけながら資料をまとめる習慣をつける。
- 相手の反応を意識し、改善を重ねていく。
伝える技術
ITエンジニアとして稼ぐためには、ただプログラミングスキルを磨くだけでなく、「伝える技術」を高めることが欠かせません。デザイン力とマーケティング力を活用して、伝えたいことを効果的に表現し、相手に伝える力をつけることが、エンジニアとしての成長と信頼の獲得につながります。自己研鑽を続け、相手に「わかりやすい」「伝わる」資料を作り、仕事での評価を一段と高めていきましょう。
クライアントやチームに信頼され、さらに稼げるエンジニアを目指して、自分の力を最大限に発揮してください。