13.「できるITエンジニア」の条件

ITぶつぶつ

ITエンジニアとして稼ぎたい、もっと大きなプロジェクトを任されたい、そんな風に思うなら、まずは「できるエンジニア」になることを目指すべきです。「できるエンジニア」とは、単に技術が高いだけではなく、お客様から信頼と安心を得られる総合力を持つエンジニアのことです。お客様があなたに「君なら任せられる!」と自信をもって依頼できることが重要です。

たとえば、どんなにVisual Basic (VB) やC#の技術があっても、お客様の求めるシステムが作れなければ意味がありません。お客様が本当に必要とするものを提供し、そのニーズを満たすことで初めてエンジニアとしての価値が生まれます。今回は、お客様に「この人なら安心だ」と思ってもらえるエンジニアになるための方法を、私なりの視点から解説していきます。


1. 仕事を受けたら「お客様を知る」ことから始めよう

システム開発の仕事を受けたとき、多くのエンジニアは真っ先に仕様書を読み込み、動きを理解しようとします。そして、開発環境を立ち上げ、キーボードを叩いてコードを書き始めることが多いでしょう。特に、会社からスケジュールや担当範囲が指示されていると、早く着手しなければと焦る気持ちが出てくるものです。

しかし、そこで一度待ってほしいことがあります。それは、まずお客様を理解することです。どんなシステムを作るにしても、まずお客様の背景や事業内容、悩みや目的を理解してから取り組むべきです。

お客様を理解するためのチェックポイント

  • 会社の規模や資本金、従業員数
    どのような規模の企業がどんな目的でシステムを発注したのかを把握することで、システムに期待される役割や予算感が見えてきます。
  • 事業内容や取引先
    その会社がどのような業務を行い、どのような取引先と関わっているのかを知ることで、システムに対する要望や使い方の背景が理解できます。
  • システムを必要とする目的
    システムがなぜ必要とされるのか、何を改善したいのかを考えることが大切です。お客様が抱える課題や不満を明確にすることで、具体的な改善策が見えてきます。

このように、お客様のことを調べ、理解する作業を「お客様との温度差を縮める」と表現しています。お客様がシステムに求めることや、システム導入によって実現したいことを理解することで、よりお客様のニーズに沿った提案ができるようになります。


2. 仕様書を読むときは「お客様目線」を意識する

お客様の背景を理解したら、次に仕様書に目を通します。このときに大切なのは、お客様の目線で仕様書を読むことです。お客様の目的や期待を理解したうえで仕様書を読むと、システム全体のイメージや具体的な改善点が見えやすくなります。

例えば、データベースの設計書に部署や商品名が含まれている場合、それが実際にどのように活用されるかを考えてみてください。こうした情報がただのデータとして存在するのではなく、お客様の業務フローに組み込まれる要素であることを意識することが重要です。

さらに、仕様書を読んでいくうちに、「なるほど、こういうところがポイントなんだな」と納得できる部分や、「ここは何かおかしいのでは?」と疑問を感じる部分が出てくるはずです。こうした疑問や気づきを持ちながら読むことで、単に仕様書に従って作るだけではなく、より良いシステムを作るための改善策やアイデアが浮かびやすくなります。


3. システムが必要な背景や課題を明確にする

お客様や仕様書を理解したら、次にそのシステムが必要な理由や背景を深掘りしていきます。システムは単に作るために作るのではなく、何かを解決するために存在します。お客様が何を解決したいのか、何を楽にしたいのかを具体的にイメージすることが大切です。

システム開発で大切な問いかけ

  • このシステムは何を改善するためのものなのか?
  • お客様はどの業務を楽にしたいと思っているのか?
  • このシステムが実現することで、お客様にとってどのようなメリットがあるのか?

こうした問いかけを行い、システムの目的を明確にすることで、開発するシステムが単なる技術の集合体ではなく、お客様の課題を解決するための道具としての役割を果たせるようになります。


4. お客様の悩みを解決する「道具」を作るという意識を持つ

多くのエンジニアが「プログラムを作りたい」「最新技術に触れたい」という気持ちで開発に取り組みますが、本来のシステム開発の目的は、お客様の悩みや課題を解決することです。システムが導入されることで、お客様が抱える不満や効率化の課題が解決され、業務が楽になることが本質です。

この視点を持つと、プログラムを書くときも、「お客様が使いやすいかどうか」「このボタンの配置は最適か」など、使い勝手を重視した視点が加わります。例えば、「ここにPDF出力機能があると便利だ」「この画面の流れなら操作しやすい」など、ユーザーの視点に立った改善が自然にできるようになります。


5. 自分のテクニックは「お客様のためにある」ことを忘れない

システム開発で稼げるエンジニアになるためには、自分の技術を「お客様のために使う」という意識が大切です。自分の技術力を見せつけることではなく、あくまでお客様が便利に、快適に使えるシステムを作ることが求められます。特に、あなたにこの仕事が依頼された理由や、あなたの会社が選ばれた理由を考えると、そこにはお客様からの信頼や期待が込められています。

この信頼に応えるためにも、常に感謝の気持ちを持ちつつ、お客様の立場に立ってシステムを設計・開発することが大切です。技術の見せ場ではなく、お客様のニーズに応える道具を提供する意識を持ちましょう。


6. 「温度差を縮める」ことで信頼関係を築く

お客様に信頼されるエンジニアになるためには、お客様との温度差を縮めることが必要です。お客様と同じ気持ちになり、そのシステムが本当に必要な理由を理解することで、開発するシステムがよりお客様の求めるものに近づきます。

お客様と同じ目線に立ち、「●●君!」「●●さん!やっぱり君だ!」と言われるようなエンジニアを目指しましょう。そのためには、まずお客様と同化し、彼らが何を考えているのか、何を求めているのかを理解することが大切です。


7. 未来を見据えた「総合力」を持つエンジニアを目指そう

最終的に、稼げるITエンジニアになるためには、技術力だけでなく総合力が必要です。お客様の信頼を勝ち取り、安心して任せてもらえるエンジニアになることで、単なる「技術者」から「お客様のパートナー」へと進化することができます。

  • 技術を駆使するスキルだけでなく、お客様を理解する能力
  • 仕様書をお客様目線で読み解く力
  • お客様の悩みを解決する道具を作るという意識

これらの力を総合的に備えたエンジニアになれば、確実に稼げるエンジニアとしての道が開けていきます。


結論:お客様に寄り添い、信頼されるエンジニアを目指して

ITエンジニアとして稼ぎたいと考えるならば、お客様に安心して任せてもらえる「できるエンジニア」になることが重要です。そのためには、技術を磨くだけでなく、お客様の背景や悩みを理解し、温度差を縮める努力が必要です。

「できるエンジニア」とは、お客様と同じ視点に立ち、求められるシステムを提供できる総合力を持つエンジニアです。お客様の期待に応えるために、技術力を道具として使い、しっかりと感謝の気持ちを持って仕事に取り組みましょう。そうすることで、「やっぱり君に任せたい!」と言われるエンジニアとして成功への道が開かれるはずです。

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